恋というのは甘すぎる

ちょっと理解が追い付かない。
完全にフリーズした脳みそ。

私の手はイケメンの頭を触っている。
ああ、これね。動物じゃなかったのね。
いや確かに気持ちいいけども。

身動きとれず固まっていると、イケメンが、目を開けた。
眠そうにゆっくり何度もまばたきしてから、私に向けて笑いかける。

「よう、おはよう」

世の中の女子が一撃で腰砕けになるような、甘い甘い笑顔。

私の脳みそはようやく仕事を始める。

ここはどこか。
保健室のベッドの上だ。OK。

今はいつか。
まだ夜にはなっていないようだ。OK。

この状況は何だ。
いっこうに分からん。

このイケメンは誰だ。
よーく知ってる。
奥原先生だ。OK。

いや全然OKじゃないわ。
先生と同じベッドに入っているこの状況。
どう考えてもNGです。
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