cornering





「年上の俺を敬え。そして敬語を使って先輩と呼べ。常識だ」


「毎日学校で怒られてた全君に常識云々言われても…」


「うるせぇな」


「さっさとあっち行け」とシッシッと手を振りあたしをまるで野良犬みたいに扱った。


ちょっとムカッときてへの字に口を曲げると、「ごめんな」と優しい隆先輩の声が聞こえてきて、その手には酒の入っているだろうグラスがあった。



「こいつタイプじゃない子には冷てぇんだよ」


「そんな直球でひどいです隆先輩…」


「こんな奴諦めて俺にした方が良いよ」


ニコニコ笑ってある意味の毒を吐く隆先輩。あぁ、そんなセリフ全君に言われたい……



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