cornering
これ以上余計な事口走る前に退散しようと、みんながいる席に戻ろうとした。
すると振り返った先に店のドアがガラガラと開ける音が聞こえてきたのと同時に、5〜6人の男連中が入ってきた。
「真幸さーん、また来たよ〜」
その最後尾には、あたしの大好きな全君の姿が。
自然にニヤける口元を押さえて「全くーん!」と叫んでしまった。
泣き何処になるはずだったこの居酒屋が全君が現れたせいで台無しになってしまった。
あたしはまた全君に会えて喜んでる。そして全君はあたしに会ってしまって機嫌を損ねてる。
「…お前はストーカーかよ」
「え?あたしが先に来たんだもんストーカーは全君でしょ」
その言葉に呆れたのかまたあたしを無視してカウンターに行ってしまった。