cornering
「ほら、帰った帰った」
シッシッといつもの如くあたしを犬みたいに追い出そうとする全君。
でもでも全君と二人きりなんてこんなチャンスめったにないもん!
てかもうこの先一生ない気がするもん!
帰ってたまるか。
「あたしももうちょい寝る!」
「じゃ俺帰る」
「………」
ガーーーンと肩を落としたあたしを背に、全君は帰るとか言ったくせに本格的に寝始めるつもりらしく寝返りをうった。
「あたしも寝るから帰るとき起こしてほしいな全君」
あたしの言葉をガン無視したけど、きっと全君は起こしてくれる……ような気がしてる。