私の楽園。君の終焉、
開いているドアから男子生徒が入ってきた。
さらりとした黒髪に左目の下にある泣きボクロが印象的な綺麗な顔をした青年だ。
後ろの方で小毬が興奮しているのがわかる。実際クラスではどよめきが広がっている。
確かに青年は綺麗だ。モデルや俳優などの見た目を生かす職業だと言われても大した衝撃はないだろう。
教壇に上り先生の隣に立つ青年。
「さぁ自己紹介だ。自分を売り込め!」
先生にあえて問いたい、お前は誰だ。
「えっと。京極清一(キョウゴク キヨヒト)です。イギリスに留学に行っていて四日前に帰国しました。サッカーが好きです。well…Gee, how should I say this?」
流暢な英語が口を出て、青年は顎に手を当て悩む。
その姿も中々様になっていて、見た目が良い奴は何をやっても格好がつくことが分かった。
「まぁそんなに悩むな。京極に質問ある奴いるか?」
先生がそう問うと一人の女生徒が手を上げた。