私の楽園。君の終焉、


くるくると毛先が巻かれた茶色の髪にグロスが塗られた艶やかな唇、長いまつげはつけまだがまぁ小悪魔系と称されるメイクのおかげで可愛く見える。


名前は…なんだっけな。


「あのぉ、彼女とかいますかぁ?」


ああ、思い出した姫宮優綺だ。


戸惑いを含む笑顔を見せた京極だが数秒悩んで


「いません。募集中…?ですね」


クラスの女子がどよめいた。


次に手を上げたのは、小毬だ。



「あああのっ!好きなタイプは!?」


肉食系女子が多いらしい。というか質問内容が合コンの様だ。さてはこのクラスのトレンド 婚活だな。


「そうですね…知的で包容力のある方ですかね。」


どこぞの芸能人のような解答に私は花丸をささげたいところだ。


しかし私はさっきからこの青年に小さな違和感を感じていた。


言葉の端々、イントネーションや表情の移り変わりの間に得体の知れないものを感じる。




< 19 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop