私の楽園。君の終焉、


朝のショート後は十分間の授業準備時間が与えられている。


京極がクラスメイトから質問攻めにされている間に私は一時限目の準備を終えた。


ちなみに一時限目は世界史だ。担当教諭は京一条。


チャイムが鳴ってあわただしく準備を始めるクラスメイト達。授業準備時間の意味がわかっていないようだ。


バックから布製の筆箱とノートを取り出した京極は私を見つめてくる。


「どうかした?」


「いや、こんなことを初対面で言うのもなんだけど、君は美しいね。」


まるで18世紀の西欧の小説を和約したかのような歯の浮くセリフを言われた。


どうリアクションしたらいいんだよ。



「ありがとう。でも私以上に貴方は綺麗よ。」



オペラかミュージカルかってんだ。

二人して見つめあいながら歯の浮くセリフを言いあうなんてどんな羞恥プレイだよ。





< 22 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop