桜色の手紙
そんなことを考えているうちに、学校に着いた。

いつものテーブルに着くと、ちょうどいいタイミングで滑らかなピアノの音が聴こえてきた。部活の前には必ず、あいつはピアノを弾いている。


今日は、川のせせらぎだ。
辻井さんという日本人のピアニストが作曲した、美しい曲。




貴女が弾くから、もっと美しい。


その華奢な腕と細い指、とろけてしまうような柔らかい…色っぽい音。
でもそこにはしっかりとした感情がある。

そんな音が、俺は好きなんだ。


ずっと探してた音。




貴女に会いたい。








二人の女に惹かれてしまった俺はどうしたらいいのだろう。






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