桜色の手紙
小さな家の中で

第四節、彩芽の話

最初に先輩を見たのは、体験入部の時だった。
高校生活にまだあまり慣れていなくて、部活もどうしようか悩んでいたから、とりあえずと思ってずっとやっていた吹奏楽部に入ったんだっけなぁ。

パーカッションを経験していたのは私だけで、これはオーディションも何もないなぁなんて現金なことを考えてた。

先輩にパーカッション経験者ですと言った時の、彼の「よっしゃあ!」という声におされたのかもしれない。
それとも、音楽室に入った瞬間の懐かしさにひかれたのだろうか。


吹部に入ろう。ここで音楽がしたい。



そう、思ったんだ。

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