桜色の手紙
先輩は、大抵のことは何でも教えてくれた。音楽に関しては知識量がだいぶ違うみたいだった。私は中学の頃からパーカスをしていたが、知らないことが沢山あって自分でも驚いた。
それでも少しずつ新しいことを覚えて、何回も失敗しながら、とりあえず人並みに楽器を使えるようにしたんだっけ。
鍵盤を叩いたときに褒められたことと、あとは…
「あやめ」と呼んでくれたのを何故だかずっと覚えてる。
たった一年前なのに、まるでずっと昔のことのようで、それでいて心の中にはいつも先輩がいる。