Candy House
カウンターの向こうはキッチンだった。

そこにいたさくらさんの目があった。

さくらさんはあたしに向かって笑いかけると、
「さくらへようこそ!」
と、言った。

「えっ、さくら…?」

“さくら”って、花の名前ですよね?

そう思っていたら、
「さくらさんが経営する店の名前なんだ」
と、安部さんが教えてくれた。

お店の名前だったんだ…。

上野さんはあたしに向かって笑いかけると、
「実はさ、今日横町のみんなが集まってるのも、さくらさんのお店へ連れてきたのも、全部ノゾミちゃんのためなんだ」
と、言った。
< 116 / 370 >

この作品をシェア

pagetop