Candy House
「えっ?」

あたしは聞き返した。

あたしのため…って、どう言う意味なの?

「今日、ノゾミちゃんの大学の卒業式だったじゃん」

そう言った上野さんに、あたしは思い出した。

そうだ、今日卒業式だったんだ…。

すっかり忘れていた。

「だけど、ノゾミちゃん卒業式に出席しなかったでしょ?

でも俺らは祝いたかったんだ。

ノゾミちゃんが大学生活を頑張ってきたこと、これからの社会人生活を楽しく過ごせますように…って」

そう言った上野さんに、あたしは涙が出てきそうな気がして手で口をおおった。
< 117 / 370 >

この作品をシェア

pagetop