Candy House
「へえ、そうなんですか」

やっぱり、商売は大変なんだな。

跡継ぎがいなかったら、もうそこで終わりなんだもんね。

「ちょうど俺らは自分の店を持とうと思ってたところだったんだよね。

まあ、元から自分の店を持つことが夢だったから。

専門学校を卒業して、お互い2年くらい修業を積んで、開店資金を貯めて、『ニコニコ横町』――ああ、この町の名前ね。

この町の不動産屋が、ここを紹介してくれたんだ。

で、雑貨屋『キャンディ・ハウス』が開店したって言う訳」

上野さんが説明してくれた。

「へえー」

あたしが返事をしたのと同時に、2階についた。
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