Candy House
聞き返したあたしたちに、
「いいじゃん、ヒマなんだから」

安部さんが笑いながら返した。

まあ、普段からヒマと言えばヒマですけども…。

「安部くん、何もはっきりと言うことなんてないじゃない」

上野さんが呆れたと言うように返した。


それで今の状況に至ると言う訳である。

「わかんねーな」

上野さんがやれやれと言うように息を吐いた。

「俳優のように美形な男なんだろ?

すぐに見つかりそうな気がするんだけどなあ」

安部さんは長身の躰をかがむと、花屋を覗き込んだ。
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