Candy House
星ボンさんはズボンのポケットからハンカチを出して、顔を拭いている。

一葉さんは怖い話が得意なのか、落ち着いている。

「はい、麦茶ですよー」

さくらさんがお盆に麦茶を載せて戻ってきた。

「おお、さくらちゃん気がきくねー」

工場長さんが嬉しそうに言った。

「サンキュー」

「あー、のどがカラカラだよ」

あたしたちはお盆からグラスに入った麦茶を受け取った。

グビグビと麦茶を飲んで渇いたのどを潤していたら、
「あれ?」

工場長さんが何かに気づいたと言うようにお盆に視線を向けた。
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