Candy House
「そう言えばそうだな。

何で今年やろうって言うことになったんだろ?」

上野さんも思い出したと言うように言った。

「えっ、今年からですか?」

聞き返したあたしに、
「あれ?」

安部さんが何かに気づいた。

「安部くん、どうしたの?」

「あれ」

安部さんが指差している方向に、あたしと上野さんは視線を向けた。

向けた先にあったのは、枝垂れ柳の木だった。

その木の下に誰かがいる。

へえ、こんなところに枝垂れ柳の木があったんだ。
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