Candy House
そう思ったあたしに、
「あれって、『富山薬局』のばあさんじゃねーか?」

上野さんが言った。

「『富山薬局』って、何ですか?」

初めて聞いた店名に聞き返したあたしに、
「星ボンとこの近くにある薬局だよ。

孫とばあさんの2人でやってる、小さな薬局だけどな」

安部さんが答えた。

へえ、横町に薬局なんてあったんだ。

そう思っていたら、あたしたちは枝垂れ柳の前にきていた。

「ばあさん、こんばんわ」

「うぃーす」

「こんばんわー」

あたしたちはその下にいる『富山薬局』のおばあさんにあいさつをした。

「はい、こんばんわ」

おばあさんはあたしたちにあいさつを返した。
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