Candy House
枝垂れ柳が見えなくなると、
「何でばあさんいたんだろうな」

「さあな」

「何か用事があったんじゃないですか?」

あたしたちは言いあった。

「だけど、あそこで何があるって言うんだ?」

「さあ…」

首を傾げたあたしたちに、
「あら」

麻子さんに出くわした。

「あっ、麻子さん」

あたしは麻子さんの格好に驚いた。

麻子さんは喪服姿だった。

「葬式の帰りか?」

上野さんが麻子さんに質問した。
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