Candy House
サーッ…と音がしたのかと思うくらい、あたしたちの顔から血の気がひいた。

「えっ…」
と、安部さん。

「ばあさん、死んだの…?」
と、上野さん。

「あの場所で…?」
と、あたし。

じゃあ、あたしたちがさっき会ってあいさつしたあのおばあさんは…?

「つまり…」
と、安部さん。

「幽霊、ってことだよな…?」
と、上野さん。

「幽霊、ですね…」
と、あたし。

「えっ…ちょっと、みんなどうしたの?

何かあったの?」

慌てたように聞いてきた麻子さんの声を最後に、あたしの意識がそこで途切れた。
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