Candy House
「じゃあ、ノゾミちゃん。

看板を出してきて」

そう言った安部さんに、
「はい、わかりました」

返事をすると、あたしは外に出た。

ドアを開けると、冷たい空気があたしの肌を包み込んだ。

今日の晩ご飯はハロウィンだし、カボチャのグラタンにしよう。

そう思いながら、あたしは黒板をイーゼルのうえに置いた。

と言うか、
「いつも思うけど、お祭りが好きだよね…」

春のイースターの時もそうだけど、本当に2人はお祭りが好きだと思う。

お祭りが好きだから、ハロウィンにコスプレをしようと言う話になったのだから。

それに対して満更でもないと思っているあたしは、半年も住み込みで働いていたからなれてしまったのかも知れない。
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