手をのばす
部屋の真ん中で私はひざを抱える。

私はすっかり弱っていたのかもしれない。


「余裕のある一人」

なんて言って、ついこの前は沙耶のいない週末を過ごすことができたのに。

今は、こんなに心細い。

寂しい。



一緒に旅行に行くという沙耶の友達はどんな人なのだろう?


せっかく誘ってくれたのだし、沙耶とは変わらず友達なんだし、本当は一緒に行ってもよかったのでは?


沙耶は、私が一緒なら安心で楽しいと言ってくれてたのに・・・。

冷静さを欠きすぐに断ってしまって、本当によかったのだろうか?



これは単なる独占欲だ。エゴだ。

そしてさらに嫉妬までしている。

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