手をのばす
「俺は高校の時の江崎さんをちょこっとと、今の江崎さんを少ししか知らない。ほんと、綺麗になった。大人っぽくなって変わったなあと思うよ。でも真面目で一生懸命なのは変わってないんじゃないかな。今の江崎さん、すごくいいと思う、俺は」


言い終わってから、彼は頭を両手で掻きながら

「うわ、何言ってんだろ俺。すげぇ恥ずかしい」

「ありがと、沢渡くん。お世辞でもすっごくうれしい」


やっと私はそう言う事ができた。


「だーかーら、お世辞とか言うな!」

ほっぺたを軽くつねられて、私は顔をくしゃくしゃにして笑っていた。



この人といると、あたたかくて、胸がどきどきする。

じんと、あつくなる。




・・・・・・この人が好きだ。
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