手をのばす
会議の書類をまとめるのに時間がかかり、気がつくと12時を20分ほど過ぎていた。


この時間から外へ食事に行くと、昼休み終了までに会社へ戻って来られるかわからない。


仕方なく私と沙耶は、近くのコンビニへ行くことにした。

買ってきたおにぎりやサラダを、更衣室で広げた。


「はい。これおみやげ」

沙耶がバッグから小さな包みを取り出し、私に手渡した。


「ありがとう。開けてもいい?」

「どうぞ。大したものじゃないけど」


包みを開くと、四角い箱に指輪が入っていた。




・・・・・・沙耶がしているものと同じだと、一目でわかった。

青いラインが凛と光っている。




一瞬、息をのんだ。

「おそろいなの。由紀子もしてみて!」

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