手をのばす
酔いも手伝ってかその声は低く気持ちよく私の体に響いた。


大好きな人の声。


「その声が聞きたかったの」


沢渡の目をまっすぐに見て、ゆっくりとつぶやいた。

かみしめるように。

確かめるように。



彼の目に、私はどう映っているのだろう?
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