手をのばす
意気地なしの私は、二度と立ち直れないかもしれない。


そう思うと足元からすうっと冷たくて暗いものが上がってきて、私の全身を包みこむ。


結局ただ遠くから沙耶を見守ることしかできなかった。





そうしている間に、社内で新人歓迎会が催されることになった。

これまで、こういった自分が完全に浮いてしまう会社の行事に参加するのは、極力さけてきた。





でも今回ばかりは、覚悟をして行くことに決めた。


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