手をのばす
この期に及んでまだ意気地のない自分、情けない自分に腹がたった。
それでも私は動けない。
どうしたら、どうしたら?
腕時計を何度も覗いた。
絶好の機会のはずなのに。
時間だけがどんどん過ぎてゆく。
「それではみなさん、宴もたけなわですがそろそろ移動しましょう。2次会はカラオケでーす。場所は・・・」
幹事の高らかな声で歓迎会の終了を知った。
そして自分を心底嫌悪する。
沙耶に近づくことすらできなかった。
今日こそ。そう思っていたのに。
私は仕方なくのろのろと席を立ち、深いため息とともに出口に向かおうとした。
その時、後ろから小さな囁きが聞こえた。
「・・・あの・・・」
振り向くと、そこには沙耶が立っていた。
それでも私は動けない。
どうしたら、どうしたら?
腕時計を何度も覗いた。
絶好の機会のはずなのに。
時間だけがどんどん過ぎてゆく。
「それではみなさん、宴もたけなわですがそろそろ移動しましょう。2次会はカラオケでーす。場所は・・・」
幹事の高らかな声で歓迎会の終了を知った。
そして自分を心底嫌悪する。
沙耶に近づくことすらできなかった。
今日こそ。そう思っていたのに。
私は仕方なくのろのろと席を立ち、深いため息とともに出口に向かおうとした。
その時、後ろから小さな囁きが聞こえた。
「・・・あの・・・」
振り向くと、そこには沙耶が立っていた。