手をのばす
今の私なら、一人も楽しめる。

言うならば、「余裕のある一人」。


それは沙耶と共有する時間があるから。


私は独りじゃない。


分かち合える人の存在があれば、一人の時間だって楽しいんだ。



とりあえず軽い朝食をとった後にふと思いついた。



おいしいコーヒーが飲みたい・・・。

そうだ、「お一人様」をやってみよう。



沙耶としか食事やお茶をしに行ったことがないし、こんなときこそ一人で喫茶店に入ってみよう。



小説を読みながら、おいしいコーヒーを飲んで・・・・・・。




私は鼻歌をうたいながら、いそいそと用意を始めた。
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