手をのばす
「ないない!俺めちゃくちゃ女の子ニガテだったもんね。なにしろサッカーバカだったからさ」


私は笑いをこらえる。

「そうなの?本当かなあ」

「ほんとほんと。まあでも三年、されど三年って思った。人っていくらでも変わるっていうか。これからもどんどん変わっていくんだなって、なんか俺しみじみしちゃってさ。こうして江崎さんも仕事頑張ってるし、俺ももっとがんばらんと!って感化されてるんだ」


沢渡のその言葉は、今の私にとって本当に嬉しいものだった。

自分を一人の自立した女性として扱っていてくれる、そんな気がする。



例え彼にとっては些細な、誰にでも言うような、他意のない言葉だとしても。

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