笑わない王様
豹変
「なにかあったのか?」
結局私は言われていた時間より五分遅れてしまった。
「あ…迷っちゃって。すいません…」
朝あった出来事を先生に言うべきなのか迷った私は、勝手に嘘をついていた。
「まあこの学校は広いからねぇ。次第に慣れていくよ」
はははっと笑う三村先生。
中年で優しい感じの私の担任。
この人は学校のことをどこまで知ってるんだろう?
「じゃあ教室いくか」
「はいっ」
私の新しいクラスは二年二組。
どんな子たちがいるんだろう…。
朝みたいな風景は、嫌だなぁ。
「じゃあ先生が呼んだら入ってきて」
なんて考えているともう教室の目の前にいた。
「わかりました」
あ~緊張するな~…。
”絶対王政”か…。
嫌な学校に来ちゃったかな…。