笑わない王様
「あ…あー。あいつはまた欠席か…」
あいつ…?
「いえ先生、朝は来てました」
真面目そうな女の子が答える。
「はぁ。まあいい。あ、吉岡さんは右の窓際じゃない方ね」
「あ、はい…」
”あいつ”という単語が出た途端空気変わったような気がした。
どんな人なんだろう?
朝からサボるなんて…。
横の席の人が怖かったら嫌だなぁ。
なんて思いながら言われた席につく。
左を見ると窓から景色が見えた。
どこまでも続く青空。もうすぐ夏だからか、雲が少ない。
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「ねぇ、ゆずちゃんだっけ?」.
昼休みのチャイムがなったと同時に前の席の子に声をかけられた。
実は今の今まで誰一人にも声をかけてもらえなかったのだ…。
「えっ、あ、うん!」
嬉しくなりながら前を向くと可愛い笑顔を私に向ける女の子がいた。