笑わない王様
「ゆず!次移動教室だよっ」
六時間目は理科室に移動だった。
理科室どこだっけ…って考えてる数秒後には深月が声をかけてくれていた。
「あのさぁ、深月」
「ん?」
「深月って、天使?」
私のその言葉に、深月が大きな目をさらに大きくする。
「ぷっ、あはは!なに急に!」
「いやいや本当に。私転校早々こんな可愛くて性格のいい子と友達になれるなんて…」
「んー。ただ素直に、ゆずと関わりたいって思ったの。性格いいとかじゃないよ」
そんな回答できること自体凄い気がしてならない。
「さっ!行こう!遅れちゃう。理科室って意外と遠いんだ〜」
深月が私の手を引っ張る。
まだ予鈴もなってないのに、なぜか深月は急いでる。
そんなに遠いのかな?
なんて思っていると…
「きゃはは!まじそれうける〜」
「でしょ?やばくない?」
「やばいやばい!ネタじゃん!」
なんだか騒々しい声がする…。