笑わない王様


「てめぇ、なめてんな」


金髪の人がしゃがみこみ、倒れている男の子の胸ぐらをつかんだ。

その行動はまるで――…




「やめましょう!!!」


―どんっ



「…ってぇ…」


「あ…」




気付いたら私は金髪の人を突き飛ばしていた。


後ろにしりもちをつく金髪の人。


「ご、ごめんなさい!大丈夫!?」


私は急いでその人にかけよる。

勢い余って結構強く押してしまった!

金髪の人は下を向いていて表情は確認できないけど、これは…ヤバイ。



転校早々殺される…!?


倒れていた男の子も私のとった突発的な行動に口をあんぐりと開けている。


しばらくして金髪の人がゆっくりと顔を上げた。



「……おい、殺されたいのか――…」


眉間にはしわがよって私を力強く睨むが…



「……」


次の瞬間には表情が怒りから驚きに変わっていた。


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