笑わない王様


「あの…なぎ…あ、いや萩原さんって、皆に怖がられてるの?」


女の子たちはビックリしたような顔をして、お互い顔を見合わせたあと、ポニーテールの子が口を開いた。



「…ごめん、私たち部活があるから…」


それはなぎの話をしたくないんじゃなくて、私と話をしたくないように思えた。


ふたりは私の質問には答えず背を向ける。


「えっ、あの…!」


人生こんなにもそっけなくされたことがなかった私は思わずもう一度声をかけてしまう。


すると今度はショートカットの子が



「ごめん。今朝の萩原さんとの絡みとか知ってて…あなたとはあまり関わりたくないっていうか…」



バッサリと私の心臓を破った。


私は言い返す言葉もなく、ただそこに呆然と立ち尽くしていた。


女の子たちはその隙を見てそそくさと教室から出て行ってしまった。


『あまり関わりたくない』


このたった一言が、これほどにも大きなダメージを持つとは私は今まで知らなかった。



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