笑わない王様


「い、み……わかんない」


どうやら私はこんな時でも意地を張ってしまうみたいで。


涙が静かに流れてるのに、口をつくのは強気な言葉だった。



なぎに呼び出されて現実を突きつけられて、

変な女の子に絡まれて突き飛ばされて、

しまいには名前も知らない女の子に「関わりたくない」と言われる。



だめだ。

今日の私は、ついてないんだ。


ついてない、と思わないとどうしたらいいのかわからなくなるから運のせいにする。


こんなに人に拒絶されるのは、初めてだった。


陽はもう沈みかけ、私はそれに気づいてようやく学校を後にした。


私の何がいけなかったんだろう。

今まで自分らしく歩んできて、それでも人に拒絶されたことはなかった。

”私”が間違ってるのかな…?


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