永久に愛を誓う
少しずつ屯所の生活に慣れてきた。そんなとき、
「おい。上野。」
土方さんが医務室に入ってくる。私は日中時間がある時は医務室でものの位置や、薬草の種類と活用法についてを調べたりしていた。
「はい。土方さん。珍しいですね。お腹でも壊しましたか?」
にっこり答える私に
「ちげーよ。近藤さんが帰ってきた。お前の事も報告するから来い。」
「はいはい。」
「はいは一回だ!」
「はーい。」
「伸ばすなっ!!」

こんな感じで近藤さんの部屋に着いた。
「近藤さん、俺だ。」
「トシか。入ってくれ。」
優しそうな声だ。
私も土方さんに続いて入る。
「失礼します。」

私をみて近藤さんは
「トシ!この可愛い娘さんは、まさか!」
「?」
私が不思議そうにすると、近藤さんはうるっと目に涙を浮かべている。
「そうか、そうか。やっとトシも身を固める気になったか。それで、式はいつだ?」
完全に勘違いしているようだ。
「はぁーっ。近藤さん喜んでいるところ悪いんだが、こいつは俺の嫁じゃねぇ。」
といって今までの説明を始める。


「そうか。未来から?なんともすごい話だな。まぁ医師がいるというのは心強い。これからよろしく頼むよ。上野君。」
ニカッと笑う顔がとても爽やかだ。
「こちらこそよろしくお願いします。」
私も頭を下げた。
「トシ、今日は宴会だな。上野君の歓迎会といこうではないか。」
「まあ、久々だし、皆も喜ぶだろ。」
土方も笑った。
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