永久に愛を誓う
その日の夜、千花の歓迎会という名の宴が開かれた。が、その主賓が今いない。

「おい。上野は?」
土方が斎藤に聞く。
「何やら平助たちが着物を買ってきたからといって、先ほど連れて行きました。」
「はあ?そんでまだ着替えにかかってんのかよ?まったく。」

と、その時襖がすっと開き平助たちに連れられて千花が入ってきた。

「!!!」

皆それぞれの反応をする。
土方は酒の入った杯を落とし、斎藤はそのまま固まっている。沖田は「かわいーい」と笑っていて、山南は「やはり華があるといいですねぇ」と源さんと話している。

平助、新八、佐之に連れられ入ってきた千花な何故か花魁のような格好をしていた。

化粧もうっすらされていて、いつも以上に美しい。

幹部の元に3バカがどや顔をして近づいてくる。
「どうよ!千花ちゃん!!俺たちの手によって華麗にさきました!なんちゃって!!」
「3バカにしてはいい仕事したんじゃない?」
「お前っ!総司!バカはないだろう?」
新八の言うことも流し、沖田が聞く。
「それにしてもこんな着物よく買えたね。結構良さそうな生地使ってるみたいだし。」
「え?えーと、それはだなぁ。」
途端にもごもごする3人。
そこに近づく鬼がいた。
「……………お前らまさかとは思うが、俺が頼んだこいつ(千花)の着物代、これ一着に全部使ったんじゃぁねぇだろうなぁ。」
土方の声に3人はヒイッッ!と後ずさりする。
そう。今日の宴の為に千花に着物をと提案したのは土方で、ついでに普段着られるような袴や着物も買えるよう3人に少し多めに銭を渡していたのだ。
「やっ。でもよぉ。似合ってるし…。」
「そうそう。ほら宴っていうと花魁ってことでぇ。」
「そうだ。千花も嬉しい。俺たちも嬉しいってことで。」
と言い訳を始める。

「この着物代は来月のお前たちの手当てから引かせてもらう。」
「そんなぁぁぁぁぁ。」
悲痛な叫び声が響く中千花はというと、近藤達に酌をしていた。

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