永久に愛を誓う
いつものように千花は医務室にいた。すると、
「上野。少しいいか?」
「斎藤さん。どうぞ。」
声をかけると、部屋に入ってくる。
どうしました?と聞くと、
「今日は俺は夜の巡察なのだ。」
と。
「それは。くれぐれも気をつけてくださいね。」
と言うと、
「俺よりもお前の方が気をつけろ。」
と返してくる。気をつけろといっても、私は屯所の中ですよ?何に気をつけるんです?と笑うと斎藤は、
「上野。お前は屯所内で唯一の女だ。そして美しい。それに先日の宴での花魁姿。隙あらば手込めにしたいと思っている奴は少なくない。」
千花は斎藤の『美しい』という言葉に顔が赤くなる。
それには気づかず斎藤は、続ける。
「いいか、上野。副長もお前の貞操を心配し幹部と同室にした。でも今夜俺はいない。もし何かあれば他の幹部の部屋へいけ。」
まじめな顔をして斎藤は言う。
「わかりました。心配して頂きありがとうございます。」
と言うと、斎藤は部屋から出て行った。
この斎藤の心配が今夜まさに事実となることはまだ誰も知らない。