永久に愛を誓う
タイムスリップ
誰かによばれた気がして振り返った。が、誰もいない。
「気のせいか…」
もう遅いし帰ろうと歩き出した時、さっきの蛍達が強く光り出した。
「え?何?」
その光はだんだん大きく強くなり、千花は目をつぶった。
……………………………………
目を開けると、蛍は消えていた。
「何だったんだろう?まあいいや。帰ろ。」
千花は神社の階段を駆け下りた。
…………………………?
「あれ??」
階段を降りたところで千花は周りの違和感に気づいた。
「どうしてこんなに真っ暗なの?電灯がついてたはずなのに…」
辺りを見回すと電灯や店の灯りも何一つなく、真っ暗だ。しかも電柱すらなく、建物の雰囲気も違う。
「うーん。どうしよう?」
とりあえずこのあたりを歩いてみることにした。
「道に迷ったのかな~?」
てくてく歩いていると、後ろから誰かが走って来る音がした。ちょうどいいから道を聞こうと振り返った。
途端に羽交い締めにされた。
「?!」
驚いて顔を挙げると和服の男の人が、なにやら切羽詰まった顔で道の先を見ている。しかも、私の首筋には………………
「刀?」
何で何で~?訳が分からないがとりあえずじっとしていたほうがいいことくらいはわかった。
すると前から黒い着物の男の人達が怖い顔で近づいてくる。
「あっ、見てよ。一くん!あれ人質ってやつじゃない?うわカッコ悪っ!僕らが人質くらいで見逃してやると思ってんのかな?」
「総司、煩い。」
私は結構際どい状態だというのに、目の前の2人は至って冷静だ。しかも少し楽しんでいるような気さえする。
反対に私を押さえている男の人は焦りが見える。
「おい!こいつがどうなってもいいのかッ!?
早く刀を置け!」
「だってよ。一くん。どうする?」
「置けと言われて、はいどうぞと置けるものでもない。」
「そうだよねー。それに別にその子僕知らないし、斬ったとしても、その後君を斬って出すからいーよ。」
どうやらこの男の人の人質作戦は失敗したらしい。
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じゃぁ私は?
「ホラ。どうぞ。殺せば?」
………………………嫌です。本当にここで死ぬのかと体が震える。
でも震えているのは私を押さえている男の人も一緒だった。
「くそっ。」
ドンっ!男の人は私が使い物にならなかったため目の前の2人へと突き飛ばし、自分は逃げようとした。
私はというと、1人の男の人に受け止められ、もう一人の男の人が逃げた男を追う。
そして、ザシュ!!!
「っっ!?」
斬られた。血しぶきを挙げて倒れる人とその血しぶきを浴び冷ややかな目でみる男の人。
何がなんだかわからないが、これは夢?
そして私は意識が遠のいた。