永久に愛を誓う
夜、千花は2人分の布団を敷いた。斎藤は巡察だが、帰ってきてすぐ寝られるようにだ。
「こっちにきてから初めて一人で寝るなぁ。」
自分の時代が恋しくないわけではない。考えないようにしているだけだった。でもこんな静かな夜はいろんなことを考えてしまう。
「私は何故この時代にきたのかな。」
千花は歴史が得意ではなく、新撰組のことも有名な事件くらいしか知らない。
池田屋事件、沖田総司の労咳あとは結局ほとんどの隊士が死んだということくらいだ。
「私は何をすればいいの?」
そう呟いたときだった。
そっと襖が開く気配がし、千花が体を起こそうとすると、後ろから口を塞がれた。
「んっ!」
「声を出されちゃぁまずいからなぁ。」
部屋には既に3人の男たちが入っていた。
(まずい。3人は。力でもかなわないだろうし。ここは冷静に。優位な方向に持って行かなければ。)
千花はこの状況の中冷静に物事をとらえた。
(相手は私の身体がねらいのはず。それならそれを逆手に取る。)
そう考えているうちにも1人の男の手が胸元に入ってくる。
「ふっ。んっ。」
千花は声をあげるも、口を塞がれているため声がこもる。すると、1人の男が
「おい、声が聞こえねぇと面白くねぇし、試しに手を離してみろよ。」
といい、その他の2人もそうだなぁ。と同意した。
(バカな男たち。今にみてなさい。)
「おい、女。声を出して助けを呼ぼうとするなよ。」
といって手を離す。
私は精一杯色っぽい笑顔を浮かべ、男たちに話しかけた。
「ねぇ、お兄さん達。どうせなら気持ちよくさせてあげようか?」
意外な私の言葉に男たちが驚く。
「私結構うまいんだから。斎藤さんも毎晩相手してるのよ。」
と、話したとき屋根裏からガタッと音がした。
でもそんなことも男たちは気がつかない。
ニヤニヤと嬉しそうに鼻の下をのばしている。
「そんなにいうなら、やってもらうか。」
私は襖に近い位置にさり気なく移動し、少し胸元を緩める。
「さぁどうしてほしい?」
ふふっと笑いながら男たちに問いかける。
次に私はシュルッと帯をとり…………
襖をさっと開け、廊下を一目散に走り出す。
目指すは副長室この廊下の突き当たり。この時間土方さんは部屋で仕事をしているはず。
男たちは突然の事に驚いたのか部屋から出てこない。それでも千花は走る。
「…じかたさっ。…………………土方さんっ。」
パンッと襖が開き、露わな格好の千花が部屋に転がり込んできた。