永久に愛を誓う

「山崎か。」
「先程の件を報告に。」
「お前よく上野の危機を察知したじゃねぇか。さすが監察ってか。」
と土方はいうも、山崎は
「違います。今夜は斎藤さんに頼まれて張ってました。」
「斎藤に?あいつもとんだ過保護だな。」
と土方は笑う。
「それで、上野のことですが。」
「あぁ。どうした?」
「彼女はほとんど私の助けを無しにあの状況を切り抜けました。大した度胸です。」
と、今夜の出来事を話す。
土方はそれを面白そうに聞いていた。
「俺ならもっと刺激を与えましょうといって目隠しと、手を縛るがな。そうすればもうこっちのもんだ。」
「副長。誰もそこまでは出来ません。」
そうか?と土方は言う。
「あの状況の中での冷静さ、正確な判断、行動。恐らく無意識なのでしょうが、最後に自分で帯をとったのは相手に油断させると同時に廊下を走りやすいようにでしょうね。」
「うーん。後々女の武器が必要になったとき使えるかもしれねぇな。暇なとき色々教えてやれ。」
「承知。」
すやすやと気持ちよく寝ている間にこんな話がされていたとは全く知らない千花だった。
< 23 / 35 >

この作品をシェア

pagetop