複雑な恋愛の先には(仮)
第一話
完璧な男子高生
いつもの日常は、たいちゃんの声から始まる。
「理央ー学校行くぞー」
「はーい!待って〜」
「早くしろよ〜」
靴を履きながら、たいちゃんを追った。
だけど、バカな私は玄関の階段に躓いた。
「わっ!!」
「危ないっ!!」
頭から落ちると思っていたけど、落ちなかったみたいで、多分たいちゃんが助けてくれたんだろう。
普通はこういうハプニング、彼氏と彼女だと嬉しいんだろうけど……
私達の場合は違う。
電柱から妙な視線と、通学路から六人くらいの女子が凄い勢いでやってきた。
「「太一くん、大丈夫〜!?」」
「わわっ!!」
「みっみんな……落ち着いて、な?」
こういう落ちなんです。
最終的に私は完全に除け者扱い。
だんだんこうなると正直言って、たいちゃんに、迎えに来てほしくない。
なんて、たいちゃんに言えるはずもなく、私は今日もトボトボ通学をするのだった。