複雑な恋愛の先には(仮)
そして、校門を潜って何歩か歩くと、たいちゃんが走りながらやってくる。
「理央、ごめんな。
今日も一緒に通学出来なくて……」
「うっううん、気にしないで!
私、全然大丈夫だからっ!」
「そっか………なら、いいんだ。」
そして、一緒に教室入ると、みんなの視線が突き刺さる。
憎い視線や、呆れた視線。
ほとんどそんな視線が多い。
「………………」
去年の高1の時は、たいちゃんとは別のクラスで、それなりに平穏な日々を送れた。
だけど、高2のクラス替えで、たいちゃんと同じクラスになって、平穏じゃなくなってしまった。
「みんな、おはよう!」
「おはよっ、太一君!」
「太一〜宿題見せてくれよ〜」
たいちゃんが挨拶した瞬間、教室の空気が変わる。
本当にたいちゃんは凄いと思う。