複雑な恋愛の先には(仮)
「………?」
「赤坂さん、どうかした?」
「あ……ううん、何でもない。」
不思議そうな顔をして、私の顔を覗きこむ牧原君。
私は首を横に振ると、何となく痛い視線を感じた。
辺りを見渡すと、主に女子に痛い視線で見られていた。
いつの間にか、たいちゃんがいなかった。
多分、トイレにでも行ったのだろう。
「見てよ、あれ………」
「何であんな子が、太一君と……」
「あんなに仲良さそうだし、牧原君とくっつけばいいのに………」
………もう、慣れてる。
たいちゃんがいなくなると、いつもこういう視線を浴びるから。
仕方ないよ。だって、本当のことだから。
たいちゃんと私が、釣り合わない。
こんな私と……釣り合うわけがないんだよ。
そう思うと、何となく泣けてきた。
私は牧原君に声をかけて、逃げるように教室を出た。
「何でアンタなのよ……っ!」
たいちゃんと仲が良い女子と、すれ違った時睨まれた。
解んないよ、私だって……!
私は泣きながら、ある場所へ向かった。