複雑な恋愛の先には(仮)
「………………そんなに辛いなら、何で別れない?」
「………解んない。」
「………そう。」
泣き止むまで、ずっと頭を撫でてくれていた。
何となく、すっきりした。
気持ちが整理出来たような気がする。
「………………ありがとう。」
「別に、気にしないで。」
「あのさ………もしかして、ずっと聞かれてた?」
さっきから、ずっと思っていたことを聞いてみた。
「いや、盗み聞きするつもりはなかったんだけど………
そこで寝てたら、泣いてるのが聞こえたから。」
男子は私の古本置き場の隣、もう1つの古本置き場のソファーを指差した。
「あー、なるほど………
………ところで、名前と学年教えて?」
「一ノ瀬翔、2年2組。」
「同い年だったんだ!
私は赤坂理央、2年1組。」
凄く驚いた。
てっきり1年だと思ってたから。
「………1年っぽいとか思ってるだろ。」
「何で解ったの!?」
「知らない人に、すぐ勘違いされるから。」
私は笑ってしまった。
確かに、私も思ったし………
「確かに、背が小さいよね。」
「なっ、いいんだよ。
どうせ、すぐ身長なんて伸びるから。」
「でももう、高2じゃん。」
久しぶりにこんなに笑った気がした。
たいちゃんと居ると、無理して笑ってしまう自分がいるから。