コンビニの彼
それから程なくして来た電車に乗り込み、少女の学校がある駅へと向かった。
車内は帰宅途中の学生やサラリーマンの姿がちらほら見えた。
猿は少女のいる学校がある停車駅に近づくほど静かになった。
(元々無口なんだけど、緊張してか、話しかけても返事をしなくなった。)
今の時間、ちょうど帰宅する学生が多いから、少女が帰ってしまっていないかあたしは不安になった。
少女が帰ってしまっていたら、また待ち伏せしないとならない。
でもそうすると、周りの人たちに顔を覚えられる可能性があり、待ち伏せしにくくなってしまう。
…猿なんて特に、変に目立つから一発で覚えられちゃうかも…。
ガラ悪いからすぐ通報されちゃうよ。
やっぱりここはあたしが頑張らないといけないな。
あたしは心の中でガッツポーズをした。