コンビニの彼
とりあえずあたしと猿は二手に別れることにした。
猿が正面入口。あたしが裏口。
どちらかといえば正面からの方が少女が出てくる可能性が高いということで、猿が見張ることになった。
真っ先に自分が見つけたいんだって…。
あたしはというと、人通りがなく日影のためか少し不気味な雰囲気がある裏門の前にいる。
遠くから部活中の中学生の声が聞こえる。
何だか見張るというより誰か出て来ないかただ待ってるだけみたい。
端から見たらめっちゃ怪しい人だよね…。
ていうか、
…暇……。
いい感じに静かで涼しいし、眠くなる。
あたしが欠伸の一つでもしようとした瞬間、
「キャーーッ!!」
と、どこからか誰かが叫ぶ声がした。
それと同時に男の声も聞こえる。何か笑ってるような感じだけど、楽しそうな雰囲気でもない。
…何やら事件発生の予感…。