コンビニの彼
お礼
あたしはその叫び声がした方に行ってみた。
裏門の前を通り過ぎたあたりから、その人の声は段々はっきりと聞こえるようになった。
そっと壁づたいを歩き、角になったところから覗き込んでみる。
行き止まりとなったところに男3人の後ろ姿が見えた。
何事かと聞き耳をたててみると、
「お嬢ちゃ〜ん、そんなに怯えなくても大丈夫だよ〜」
「そうそう、何も怖くないからさ」
「…離して下さい……っ」
嫌がる女の子を取り囲むようにして、男たちは女の子の腕を掴み引っ張り出そうとしている。
「いいからいいから!あっちに車止めてるからドライブに行こうよ」
「…誰か…っ!」
女の子は必死にその腕を外そうとしている。
あいつら!女の子に寄ってたかって何をしようってわけ!?
このままじゃ、あの子はあいつらに連れて行かれちゃう!!
奴らは複数で男だから、あたしじゃコテンパンにやられちゃうかもしれないけど…、
…何とかしなきゃ!!
あたしは肩に背負う鞄を壁に立て掛けた。
そして勇気を振り絞って、奴らの方に飛び出した。