コンビニの彼
「ちょっと、あんたたち!何してんのよ!」
あたしは男たちの前に仁王立ちになった。
…内心、足はガクガクしてるし声も震えちゃったし逃げ出したい気持ちも正直、ある。
見ず知らずの女の子だけど、こんな状況だったら助けないと良心が痛むのよね。
人として正しくないというか…。
と、あたしの中では目まぐるしく思考が飛び交っていて、一瞬どこにいるのか分からなくなった。
「…アンタだれ?お嬢ちゃんの知り合い?」
男の一人がニヤニヤしながらあたしに話し掛けてきた。
「え…っと、知り合い……じゃないんだけど……」
突然の問い掛けにあたしは混乱してしまった。
「じゃあこのまま見逃してくれない?」
あたしの真正面に立つ、タンクトップの茶髪男がニッコリ笑って言った。
こいつも猿に負けないほどのピアスをぶら下げている。
それだけじゃなく、肩にも蛇のタトゥーが入ってる。
…それを見て、背中に嫌な汗が流れた。
あたしは拳をギュッと握りしめた。
「そ、そうはいかないわよっ!あんたたち、その子に何するつもり!?」
ここまで来た以上、腹をくくるしかない。
この子を見殺しになんか出来ないよ。