コンビニの彼
「…まァ、落ち着きなって。」
真須美は暴れ馬を落ち着かせるように両手を上げ、ドウドウ、とあたしを宥める。
何で真須美は落ち着いていられるわけ!?普通、見ず知らずの人にあんなこと言われたらムカツクじゃん!
それに、そんな宥め方であたしが落ち着くとでも思ってるの!?あたしはそんな単純じゃないんだからッ!
怒りゲージが100%を超えたあたしにはその真須美の行動にさえ、腹がたってしまう。
…それに自分の怒りを分かってくれない友にまで怒りの矛先を向ける、自分勝手なあたしに対しても…。
「へぇ〜、そんなヒドイ事言う奴いるんだ〜。そりゃ、史枝が怒るのも分かるわ。私だって怒るもん!」
真須美は眉間に皺を寄せて、うんうん、と頷いた。
「でしょーッ!?
あいつのせいで、課題に集中出来なくて明け方までかかっちゃったの!」
共感してくれる真須美の言葉、動作にあたしのテンションはさらに上昇する。
「ナルホドね。それが寝坊の原因だったんだ。」
「そうなの!!全部あいつのせいなんだから!!」
「じゃあ、もっと早くから課題に手をつけてたら良かったんじゃない?」
「今回はちゃんと0時からやってたよ!ネットで調べないといけないこともあったし。」
「ていうか、あの課題を0時からやるという根性がすごい。だってかなりの膨大な量じゃなかった?」
「だから昨日頑張ろうと思ってたの!!なのに、あいつのせいで〜…!」
「はいはい、もう分かったから。そろそろ史枝も食べたら?」
真須美は何だかもう聞き飽きたようで簡単にあたしの話を聞き流し、そのかわりに弁当を勧めてきた。