too cute(可愛すぎる)
はぁはぁと言いながら部屋に入ってきた本宮に麦茶を差し出す。


「はい、どうぞ。久しぶりに走ったら疲れちゃった」


怒ってるであろう本宮に気を使い、笑いながら場を和ます。


本宮は無言で麦茶を取り一気に飲み干した。


「早瀬の嘘つき。覚えてろよ」


「私、嫌な事は忘れるタイプだから寝たら忘れちゃうかも」


怒り気味の本宮はほったらかしてゴロンとソファーに寝転ぶ。
エアコンの風がいい感じで肌にあたる。


テレビを付けようとリモコンを探す。


テーブルの端にあり手が届かない。
後、少し。ひきつりそうな指に限界を感じて


「本宮、リモコン取って」


本宮に顔を向けて言った。


「取って下さいだろ」


リモコンを取って私に渡そうしたらお腹に落としてきた。


「ごめ~ん。手が滑った」


わざとらしい。


「痛っ、うー、痛い」


わざとらしいにはわざとらしいで返す。
ソファーに丸くなり痛がる振りをする。
ちょっと大袈裟だったかな。


「…そんな痛くないだろう?」


心配した本宮が私の横に来て顔を覗きこんだ。




「ウッソー。引っ掛かったー」


顔を上げた私の前に本宮の顔がある。
近すぎてビックリした。




うん?


目の前に本宮の顔があるよね。


すごーく近くに。


口に何か当たってるよね?




えっ、え―――――‥。




本宮が私にキスしてた。



目を閉じてる本宮に、目を開けたままの私。


どういう事っっ?








< 11 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop